後期高齢者医療制度

siroi_mogutan2008-09-13

先日、実家に帰ったときに母が「わたしはもう後期高齢者」だからとか言っていました。どうも75歳以上については、扶養からもはずして自分で保険を負担する制度になっているようですね。そういや今年資格喪失してました。。。

そんな折、本屋でみつけたのが、筒井康隆の「銀齢の果て」です。帯には、

"「後期高齢者医療制度」だと? 要するに、年寄りは早く死ねというのか!"

とあり、ついつい買ってしまいました。

筒井康隆といえば、私が中学生の頃から愛読している作家で、特にシュールなドタバタギャグを展開する個性的な大物作家です。自信の小説が差別的要素があるという理由で、教科書での採択をはずされたことに抗議し、「断筆宣言」をしたことは有名は話です。

この小説もドタバタでシュールな世界のとんでもない小説でした。

政府が増えすぎた高齢者をもてあまし、シルバー・バトルと言われる70歳以上のお年寄りが殺しあう老人相互処刑制度によって、全国各地で老人同士の合法的殺戮が繰り返されます。

特色的には、殺人の描写がまず生生しいというのは昔と変わっておらず、わけのわからない擬声後とか擬態語が登場するのも筒井小説では当たり前のことだったのですが、一番、目立ったのは、一切の行間がなく、章の切れ目もなくストーリーの連続性とスピード感を重視したつくりになっていたことでしょうか。

読む人が読んだら怒りそうな小説ですが、それをここまで開き直って書いてしまうところが筒井康隆の才能なんでしょうね。

ちなみに私のお勧めする筒井康隆の作品は、「文学部唯野教授」「鍵」「死にかた」「バブリング創世記」ですね!