転職は1億円損をする!?

siroi_mogutan2008-12-15

ちょっとキャッチーなタイトルのこの本は、以前から見かけていたのですが、ちょっと読む本がなかったので、買ってみました。派手なタイトルの割には緻密な計算で1億円分の損失を積んでいるところは筆者の性格なのでしょうか。そして、わが社のサイトでもお馴染みのきたみりゅうじさんやエンゼルバンクなどからも引用しているバリエーションの多さには感心させられました。

本来は、転職で得られるキャリアアップやスキルアップによるそもそもの成長部分と、単にコストマイナスになるケースと2点分けて議論した方がよいのかとは思いました。転職のモチベーションソースがお金しかないなら別ですが、そういうわけでもないでしょう。大きな会社に移ってフィールドや管理する組織を大きくするとか、ベンチャーに移ってより大きな裁量や経営視点での仕事をすることはかけがえのない経験になると思います。そのあたりは一部の上位層限定しては語られていましたが、限定する必要もないのではとも思いました。

とはいえ、「転職は慎重に」というのには至極同感です。単に給与が上がるからとか、有名な会社だからとか短絡的な転職は破滅への一歩だと思います。

経営理念や経営者にほれ込む、そんな転職でないと何かつらいことがあったときに会社や上司や経営者のせいにして、八当たり先はネット上の匿名掲示板しかないというような寂しいビジネス人生になってしまいかねませんからね。

多くの転職支援会社をこきおろしながらの展開には、賛成しかねる部分もありますが、転職を誘発するような社会構造やそれに乗せられてまたは、自分の棚卸もできないままに安易に転職を繰り返す若者をバサバサ斬った筆者には共感いたしました。

転職するなら転職するで、きちんと自分にやりたいことに近づけて、少々のことがあっても踏ん張れる転職、そういうものを目指して欲しいと思います。